二人の暮らし

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二人の暮らし

一般的なαのカズミは番のΩのミユキと今日から二人暮らしを始める。 「わぁー、ここ広いね」 公園の近くのマンションの一室。 ここは政府から割り当てられた選べる部屋の一つだ。 「ここにする?」 まだ一つしか部屋を見ていないのにここにする気満々なミユキ。 「うーん、そうだね。ここなら何もいないし、静かだしいいかもね。 うん。ここにしようか」 カズミは実はそういうモノが見える。 怖いモノからちょっとした人の運命まで。 「やったー。 ……よし。家具の転送シールを置かなきゃね。カズミ、視てね?」 そういう能力があるから、カズミは風水占いの仕事をしている。 事務所に所属していて、週5日働いている。 家具の置く場所を占ったりなんて朝飯前だ。 「そうだね…ここに冷蔵庫、ここにテーブル…」 どんどんカズミに指示された場所にミユキは転送シールを貼っていく。 「よし」 終わるとミユキは持っていた端末の決定ボタンを押すと家具が転送されてくる。 「わぁっ。本当に来た」 聞いてはいたが本当に来るとは思っていなかったミユキ。 カズミは職業柄見慣れているのか驚かない。 「さてと。 お腹空いてない?」 「ちょっと空いたかも。でも先にシャワー浴びたいかな」 「そうだね。今日は暑かったもんね。 うん。 一緒に入れるかな?」
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