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空間はとても静かで2人の息遣いしか聞こえてこない。
そして左手が先の胸のふくらみにそっと触れた。
早紀は咄嗟に目を閉じて身構えた。
昌也の左手は軽くなでるように胸の上を移動し、すぐに離れていく。
早紀の心臓は今にも爆発してしまいそうなくらいに早鐘を打っていたが、昌也の体温が離れていく瞬間、そのぬくもりを追い求めてしまいそうになった。
そんな自分に驚き、目を見開く。
昌也は早紀から身を離していた。
「これでよかったみたいだな」
どうやらアナウンスでOKが流れたようだけれど、それにも気がつかなかった。
ホッと安堵すると同時に残念な気持ちも過ぎって早紀は慌てて左右に首を振った。
名残惜しいだなんて、なにを考えているの。
自分の考えを必死でかき消している早紀を、昌也は無言でジッと見つめていたのだった。
そしてアイドルとマネージャーの番になっていた。
香澄はさっきからモニターに釘付けになって他の4人の様子を見つめていた。
こんな過激なものを見せても大丈夫かと京一は不安になる。
「困ったな、香澄はまだ19歳だ。手出しなんてできない」
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