41人が本棚に入れています
本棚に追加
飯田カンパニーとは、宏たちの会社と争うほど大きなイベント企業で、今度合同で国内外で同時にイベントを開催する予定なのだ。
今のところ一番大きなイベントはそれだし、チラシやポスターにとどまらず、テレビのCMも流されていて、みんなの興味も強くもたれている。
その開催日は来週に迫ってきていた。
こんな大切な時期にこんな目にあうのだから、あのイベントが絡んでいるに違いないと判断したのだ。
「そうなのかもしれないな」
いくら優秀な社員たちでも、社長の指示なしでは動けない。
それほど宏の人望が厚いということだが、今はそれがあだになってしまっているようだ。
2人して部屋の中央で棒立ちになって考え込んだとき、不意に大型モニターの電源が入った。
驚いて視線を向けると画面は大きく2分割されていて、自分たちの姿が右下に映し出されている。
右側の画面には色白で表情の乏しい青年と、スーツ姿の女性が映っている。
左側の画面にはまだ10代の思われる少女とメガネ姿の青年だ。
最初のコメントを投稿しよう!