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みんな同じように画面に釘付けになっていることから、その二組にも自分たちの姿が見えているのだろうということがわかった。
「これはどういうことだ?」
「こっちが聞きたい!」
宏の呟きに反応したのは画面左側に映っている男だった。
「声が通じているみたいです」
友美の鼓動が高鳴った。
誰だかわからないけれえど、モニター越しに会話ができるなら今の自分たちの状況を説明することもできる!
「お願いします助けてください! 目が覚めたらこの部屋にいて、出口が見つからないんです。おそらく隠し扉だと思うんですが……。スマホも没収されていて、外に連絡が取れないんです!」
画面へ向けて懇願するように自分の置かれている状況を説明する。
説明しながら、どうして自分たちがこんなところに閉じ込められないといけないのかと理不尽な気持ちがわいてきて、唇をかみ締めた。
「待ってください。それはこちらも同じです」
目を丸くしてそう言ったのが画面右側のスーツ姿の女性だった。
「え?」
「私と彼も、目が覚めたらこの部屋にいて出口も、外への連絡手段も見つけられないんです」
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