夏空

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夏空

叩きつける雨風と、雷鳴。 夜更けまで続いた悪天は朝には止み、久しぶりの青空を見上げた。 1週間前に出された梅雨明け宣言は、多分フライングだろう。 空はカーテンを引くように、明るい空色に変わって行く。 夏の到来。 一年で1番好きな季節だ。 思い切り泣いたらスッキリした。 そんな感じ。 今日はミツキと天満宮の骨董市へ行く約束をしていた。 偶数月の第一日曜日。 大学時代仲の良かったフミヤとトシヒコは、夫々地元に戻っていた。 会うこともないまま過ごしたが、先の引越しの際、久しぶりに4人で顔を合わせた。 一番ちゃらんぽらんに見えたフミは、結婚して一児のパパになっていて、一同吃驚だった。 トシヤは民間から地方創生枠で県職に就いたと、当時から真面目なトシらしかった。 偶には飲みにも行っていたミツキとは春以降、割とよく会っていたが、天満宮へと足を運ぶのは、あの時以来だ。 飾り物になっていたオペラグラスをバッグに入れて出掛けた。
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