2人が本棚に入れています
本棚に追加
夏の日は長い。
ダラダラといつまでも喋り、ビールの次にワインを飲み、オペラグラスはキラキラ光って、本当に未来が見えそうで、なんとなくいい気分だった。
JRに乗り入れるようになって、乗り換えはあるけど全然近い。とミツキに言われて、来た道とは違う道を歩く。
午前中賑わっていた通りは、店々が既に撤去されてただの遊歩道になっていた。
「おばさんに宜しく」
と言う俺にミツキは頷いてから、
「クジョウ君、偶には磨いてやれよ」と笑った。
「おぉ、またなぁ」
オペラグラスと一緒に手を挙げた。
ふた駅で乗り換え、急行あとのせいか、珍しく空席に腰を下ろしたのがいけなかった。
よく歩きよく喋り、暑くて、昼間から飲んだアルコールのせいか、車内の冷房は心地良く、すうっと睡魔がやって来た。
最初のコメントを投稿しよう!