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一気に死と言う概念との距離が縮まり、その闇の深さに身体の芯から震えた。俺は飛び起きると、シーツを握り締めて、強く目を閉じる。
様子を見に行くべきか、知らないまま、分からないまま、記憶に蓋をするか。
しかし、脳裏に蘇ってくる志村の頭を包む薄く白いビニール袋越しに見えた血と、ぐったりとして一ミリだって動かない身体が、俺の身体に重く圧し掛かってくる。罪悪感、後味の悪さ、はっきりと言えば死と言う恐怖。
俺はくそっとベッドを殴りつけると、ブレザーを乱暴に掴み取り、家を飛び出した。
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