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あたしは頷き、大きく深呼吸をした。
学校とは全然違う緊張感だ。
背筋を伸ばしてお客さんが来るのを待つ。
今は昼の2時くらいだから、お客さんの動きも穏やかだった。
店内には2人の女性客がいて、1人は雑誌を読み1人は飲料のコーナー辺りを見ている。
飲料を選んだ体の大きな女性が、真っ直ぐにこちらへ歩いてくるのが見えた。
あたしは笑顔を浮かべてそれを待つ。
「これ、お願い」
女性はジロリとあたしを顔を一瞥し、冷たい声でそう言った。
緊張しているあたしは、それだけで全身に汗をかいてしまう。
「こんにちは、いらっしゃいませ」
マニュアル通りお辞儀をして、バーコードをスキャンしていく。
「120円が1点。220円が1点」
ピッピッと小気味いい音が響き、隣では裕子おばちゃんが袋詰めをしてくれている。
順調だった。
それなのに、レジ台の向こうにいるお客さんの顔は徐々に険しくなっていくのがわかった。
ちょっと時間をかけ過ぎだろうか?
そう思い、ペースを上げる。
「ちょっとあんた。犯罪者じゃないの?」
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