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咄嗟に、そう言っていた。
全身に汗をかいている。
女性客に言われた『犯罪者』という言葉。
蔑んだ視線が刃となって突き刺さっている。
「あたしはただ、今日1日手伝いで来ただけで……。雇ってもらっているワケじゃないんです」
言いながら、自分の声がだんだん小さくなっていく。
ここにいちゃいけない。
迷惑をかけてしまう。
「あらそう? それなら良かった。もう二度とこのコンビニに来られないかと思った」
女性は大きなお腹を揺らして笑う。
本当に楽しそうな声を上げて笑う女性を見て、あたしはバックルームへと逃げ込んでしまったのだった。
☆☆☆
なんの事情も知らない人が、知ったように言っただけだ。
あの女性はちょっと常識に欠けていたから。
そんな言葉を裕子おばちゃんは何度もあたしにかけてくれた。
裕子おばあちゃんの気持ちは痛いほど理解できたし、このくらいのことを気にしていたら社会復帰なんてできないことも、理解していた。
でも……。
あたしは世間で認識されているよりも、もっとヒドイことをしてきたのだ。
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