操り人形

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言霊の呪いがかけられた日記と和人。 和人はあたしのことが好き……。 不意に、背中に寒気が走った。 さっきからどうして他の人が病室に入ってこないんだろう? どうしてここには和人しかいないんだろう? 次々と疑問がうかんでくる。 「おっと」 和人がノートを取り落としそうになった瞬間、あるページの文章が目に入った。 『愛菜は和人なしでは生きられなくなる。 愛菜のすべては和人のものになる。 愛菜と和人はずっと一緒にいる。』 なに、それ……。 どんどん血の気が引いて行く。 気を強く持っていないと、今にも気絶してしまいそうだ。 目の前の和人の顔が、歪んで見えた。 「あ、ごめん見えちゃった? ちょっと過激に書いただけなのに、こんな大事故が起こるなんてね」 和人はそう言って笑う。 「でも大丈夫だよ。愛菜は俺がいれば生きていけるんだから」 和人はそう言い、愛しそうにあたしの頭を撫でた。 撫でられた箇所は激しい痛みが走り、顔をしかめる。 しかし、それを表現する術を持ち合わせていなかった。
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