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咲紀の言葉を遮ってそう言ったのは美春だった。
「あたしたちは1年生の頃からずっと一緒に頑張ってきたの。途中から入って来て結果出したからって、調子に乗らないでよ」
美春は小柄でフワリとした雰囲気で、とても女の子らしい子だ。
男子生徒たちにも人気がある。
でも、咲紀を前にするとどこまでも豹変してしまう。
「そんな……」
「あたしたちとあんたじゃ違う」
明日香がそう言い、机の上にあった咲紀のシャーペンをわざと床に落として、踏みつけた。
パキッと音がしてシャーペンにヒビが入る。
「ねぇ、お願いだから部活やめてよ。あんたがいると空気悪くなるんだよね」
あたしはそう言い、咲紀の隣にしゃがみ込んだ。
必死で涙をこらえているけれど、もう少しで零れ落ちてしまいそうだ。
「部活を辞めたって、あたしはあんたたちと同じコンテストに投稿する。それであたしがまた入賞すれば、それはもう偶然じゃなくて実力でしょ!?」
咲紀の言葉にあたしは驚いて目を見開いた。
ここまでされても、まだそんなことを言う元気が残っていたなんて……。
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