結果

4/6
44人が本棚に入れています
本棚に追加
/133ページ
咲紀の言葉を遮ってそう言ったのは美春だった。 「あたしたちは1年生の頃からずっと一緒に頑張ってきたの。途中から入って来て結果出したからって、調子に乗らないでよ」 美春は小柄でフワリとした雰囲気で、とても女の子らしい子だ。 男子生徒たちにも人気がある。 でも、咲紀を前にするとどこまでも豹変してしまう。 「そんな……」 「あたしたちとあんたじゃ違う」 明日香がそう言い、机の上にあった咲紀のシャーペンをわざと床に落として、踏みつけた。 パキッと音がしてシャーペンにヒビが入る。 「ねぇ、お願いだから部活やめてよ。あんたがいると空気悪くなるんだよね」 あたしはそう言い、咲紀の隣にしゃがみ込んだ。 必死で涙をこらえているけれど、もう少しで零れ落ちてしまいそうだ。 「部活を辞めたって、あたしはあんたたちと同じコンテストに投稿する。それであたしがまた入賞すれば、それはもう偶然じゃなくて実力でしょ!?」 咲紀の言葉にあたしは驚いて目を見開いた。 ここまでされても、まだそんなことを言う元気が残っていたなんて……。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!