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「はぁ。さすがにちょっと計算外なとこもあったけど・・・」
Cieloのサブボーカルとのビデオ通話を一方的に終わらせたゆづ季が、自室でため息をつく。
練習ぐらいひとりで、と言い放ったものの、それに限界があることぐらいはわかっている。
『伝統芸能界のゴシップとはいえさ、巻き込まれてしまったから。年末年始が過ぎれば、最初の報道から日も経って、落ち着くんじゃないかな』
『ボクだっていい迷惑なんですけど!』
わかってる、だから落ち着いて–––スタッフが宥めながら続ける。
『事務所にも取材が来ててね–––あぁもちろん断ってるよ。状況を鑑みると今はおとなしく・・・そうそう。行き帰りで捕まる可能性もあるし。自宅に防音室あるんだよね–––・・・』
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