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 華は心から笑いながらそう言うと、キャッキャッとはしゃいだ。会場には不似合いなピンク色のドレスがはらりと舞う。華自体も、会場には不似合いなくらい元気で明るかった。それを見て、雅史は悲痛な笑みを浮かべる。 「おじさんは?」 「ん?」 「おじさんはここ好き?」  華は雅史に訪ねると、雅史は「好きですよ」と言った。すると、華が嬉しそうに「華と一緒!」と言う。雅史も「ですね」と返すと、無邪気な笑みが一層輝いた。弾んだ声は誰の耳にも届いていないのか、皆黙々と後ろで作業を進めている。 「華ちゃんは、またここに来たいですか?」 「……華はここにいるよ?」  華は無垢な表情できょとんとすると、雅史を見る。雅史は穏やかな笑みを浮かべて、遺影を見た。遺影は光に照らされて反射しており、雅史の立ち位置からは良く見えない。でも何度も資料に目を通したから覚えている。脳内にはっきりとその写真が映し出されていた。 「ええ。でもすぐにんです」 「そうなの?」 「そうなんです」  雅史は華を見ると、華が考えているのか無口になって、それから「そっか」と何かを悟ったように柔らかい声で言った。子どもは分かっていないようで、案外物分かりが良い。大人を良く見ているし、親がやっていることだって知らないようで実は知っている。でもそれを必死で分からないフリで隠す。隠し通す。だってそれが正しいと分かっているから。子どもは無垢を装う。子どもを侮ってはいけない。 「何か言いたいことはありますか?」 「……華ね、お母さんとお父さんに謝りたいんだ」
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