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缶コーヒーを飲むのも忘れて、何度も読み返した。何か熱いものが込み上げてくる感覚さえある。 そうだった。 昨日は十年目の結婚記念日だった。 特別なことは何もしないし、お互いあっさりしたものだと思っていたけど、それは自分の感覚だけだった。何とも浅はかだった。 妻はいろいろ考えてくれていたんだと思うと愛しさが込み上げる。 今から出勤なのに今すぐにでも妻に会いたい気分だ。でもとんぼ返りするときっと妻は「仕事してこい」って怒る。 わかってる、君の性格は。 真面目に働いて、でも今日は早く帰るから待っててくれ。 俺に返せるものは何もないけど、これからも君を愛して守っていくと一人心に誓った。 【END】
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