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さっきまですごい喜んでたのに・・・どうしましたの?
明らかに母の様子は変わっていた。
それに、あの子って誰なの?
「お母様・・・どうかしたの?」
「里桜、有栖川昴琉って子には近づかないで!」
え?
近づかないでってどういうことなの?
それに私の知らない子でしてよ?
「お母様誰なのですか?その子は?」
「とにかく有栖川って子には近づいちゃダメよ・・・わかったわね里桜!」
ビクッ!!!
母は今までに見たことのない怖い顔をしていた。
「はい・・・」
私は怖くてはいとしか応えることができなかった。
お母様、本当にどうしちゃったの?
有栖川って子となにかあるの?
「わかってくれてよかったわ里桜」と母は安心したように微笑んだ。
母とその子の間になにがあるって言うの?
「じゃあ用事もあるから私は帰るわね」
え?入学式見てくれないの?
いつも入学式は必ず見てくれていましたのに。
やっぱり今日のお母様はおかしいですわ・・・。
「ええお母様」
そして私は母と別れた。
私はそれから何も頭に入らず入学式に出る気にもならず屋上に行った。
そしてその有栖川って子のことばかりを考えていた・・・。
そして屋上に着きフェンスにもたれ掛かった時「ねぇ入学式出ないの?」と私の後ろの方から声がした。
ヤバイですわ・・・見つかっちゃった!
そして私は声がする方に、恐る恐る振り向いた。
そこには背が高くスタイルの良いかっこいい男の子がいた。
その男の子と目が合った瞬間ドキンっと私の胸が大きく鳴った。
その男の子を見ただけなのに・・・なぜ?
それに目が離せない。
こんなことは初めてですわ・・・。
それにその男の子を見ていると胸が締め付けられるようになり、頭が割れるほど痛くなる・・・。
私の頭の中で何かが動き出すような・・・そんな感覚・・・。
どうしてなのかしら?
誰?誰なの?
あなたは一体誰なの?
思い出したいのにその想いと同じくらいに、思い出さない方がいいと心が訴えていた・・・。
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