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「うん私ね、ちょっと遅刻したの・・・あなたは?」
「僕もそんなところだよ」と彼は言って少し笑った。
ドキ・・・ドキ・・・。
またですわ・・・彼の笑顔を見ると胸がドキドキする。
それにさっきも感じた感覚がまた押し寄せてくる。
私どうしたのかしら?
彼に会ってからおかしい感じがしますわ。
私以前に彼にあったこと、あるのかしら?
記憶を辿って見たけれど、やっぱり彼と会ったことなんて私の記憶にはなかった・・・。
「ふふっ私と同じですわね」
やっぱり気になるから聞きましょう・・・。
「あのね・・・私達前に会ったことあるかしら?」
「いや・・・ないと思うよ?なんでそんなこと聞くの?」
やっぱりそうよね。
気のせいよね。
「ううんなんでもないわ、変なこと言ってごめんなさい」
「ううん謝らないでいいよ・・・ところで君は1年生?」
「ええ、あなたは?」
「僕も君と同じ、よろしくね」
「ええ、こちらこそよろしくお願いしますわ。そろそろ戻らないと・・・あなたは戻らないの?」
「うん僕はもう少しここにいるよ」
「そうなんですの?わかりましたわ。じゃあ私行きますわね」
「ああまたね」
そう言って私は彼と別れ教室に向かった。
そして教室。
「こら里桜どこに行ってたのよ?入学式だって言うのに参加もしないで!」
「ごめんね。ちょっと気分悪くなって保健室に行ってたの」
「大丈夫なのか里桜?」と心配そうに言う拓海
うっ罪悪感が。
嘘ついちゃってごめんね麗花、拓海。
「ええ、もう気分良くなったから心配しないで」
「そっかそれならよかったよ」
「キャー!!!」
なんですの?
急に女子の叫び声が教室中に響いた。
そして私はその叫び声の主を見た。
あっ!!!
さっきの男の子ですわ。
同じクラスでしたのね。
そう思っていると
「昴琉様よ~~~!!!」とクラスの中の女子一人が叫んだ。
「キャアー!!かっこいいですわ♪」とあっちこっちから聞こえる。
すばる?
どこかで聞いた名前ですわ。
あっ!!
思い出しましたわ。
お母様が近づかないでと言っていた有栖川昴琉。
彼がその子なの?
でもなぜなのかしら?
「君も同じクラスだったんだね」
え?
振り向くと彼がいた・・・。
「ええ」
「僕、有栖川昴琉よろしくね」
やっぱり彼が有栖川昴琉ですのね。
「ええ私は如月里桜です。こちらこそよろしくお願いしますわ」
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