☆-9

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それから、パーティーが終わると各カップルはそれぞれの家路に帰っていった。 「美胡、帰るよ?」 「春空くんも一緒に帰ろう?」 「ダメだよ、美胡」 莉子に抱きかかえられて春空から離されると、美胡は嫌そうにしていた。 「美胡ちゃん、また遊びにおいで?」 「春空くん、お嫁さんにしてね?」 「ふふっ 美胡ちゃんが大っきくなっても好きで居てくれたらね?」 春空がそう告げると、美胡はニッコリ微笑むと頷いていた。 「じゃあ、美空またな?」 「うん、気をつけてね? 莉子さんもまた?」 「また今度お菓子作りしましょうね?」 「はい、また」 音弥達が帰っていくと、キッチンでは灯と暁がお皿を片付けてくれていたので美空も拭くのを手伝う。 「みんな帰っちゃったね」 「うん、楽しかったですね」 「灯、終わったし帰ろうか? 美空、後は任せたぞ?」 「うん、わかった」 「それと、明日は臨時休業な」 「へ?」 「春空の体調が良くないだろ」 「うん、わかった」 美空はそう告げては二人を見送ると、春空はソファーからこちらをジッと見ていた。 「春空くん、具合は平気?」 「美空さん、妬いた?」 「えっと、美胡ちゃんの事?」 「嫌だったでしょ?」 「春空くんは私の彼氏だもん? 浮気なんかしないでしょ?」 「うん、勿論しないですけど?」 春空はニッコリ微笑むと、美空をギュッと引き寄せてはオデコにキスする。 「…春空くん?」 「もうちょっと妬いても嬉しいだけなんですけどね?」 「ふふっ 欲張りだね」 「さて、2階に行きますよ? 今日は逃さないって約束ですからね」 「…春空くんが良くなったらね?」 「なっ?!」 「ふふっ 今日は一緒に寝るだけ」 「何でダメ?」 「病人だからだよ? 看病ならしてあげる」 「出た、猫対応」 「ほら、2階行って体拭いてあげる」 「…猫は嫌!」 「彼氏対応でしょ? 間違えないでくれる?」 美空のそんな卑怯な表情に春空はそれ以上は有無を言えなくなるのは当然だった…。 ー完ー 美空と春空のお話はここまでで終わりとなります。 楽しくご覧いただけていたら幸いです!
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