α1 山田ネアルの、場合

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「…………ん?」 ──ネアルが目を覚ますと、そこは誰もいない教室であった。 「……何だ?変だな……俺は……」 苦痛などではないが、何となく感じる違和感にしばし首を傾げ、直前までの行動を思い出してピンときた。 「そうだ、俺は……寝てたんだ、寮で寝てたんだよ。なのに何でここにいんだ?」 また別の疑問が湧いて出てきたところで、唐突にある人物が何もないところから急に現れる。 「その質問には私がお答えしましょう!」 その人物は……格好こそなぜかセーラー服になっているが、ネアルにとって忘れもしない、忘れられない人物である、因縁の相手……。 「はぁい、学園長だよ!みんな大好き学園長だよ!!忘れた人もいるだろうからフルネームで須藤メアリだ!!!よ!!!!!」 「うるせぇ死ね!」 「ぶはぁ!?」 唐突な展開にも関わらず、ネアルのパンチが躊躇なくメアリに突き刺さった。 そのままバターン!と倒れたメアリは赤くなった頬をさすりつつ文句を言う。 「いってぇな!開幕早々殴られるとは思ってなかったよ!さすがに暴力的に過ぎるんじゃないの!?」
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