プロローグ

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プロローグ

 四月も終わろうとしている妙に蒸し暑い日。  入学して一ヶ月程経過してもまだ場違いな気がする大学キャンパス内を私は一人で歩いていた。下を向いて、背筋を曲げて、できるだけ目立たないように。  二人組の男子学生が私の横を通り過ぎていく。 「でけーな、あの女」  私に聞こえるかどうかなど全く気にしてないように彼らは笑い合う。  私は身長が百七十八センチメートルある。 「おめえらが小さいんだよ」  男達の背中を睨みつけて呟く。  瞬間、背後で私を見つめる視線に気づいて振り向いた。  私よりも背の高い男がいて、それがキムラだった。
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