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「お母さん、駅前のコンビニで強盗事件だって」
「えっ、すぐ近所じゃない。物騒だわ」
キッチンから母と姉の話し声が聞こえてきた。
僕は部屋を後にして、リビングのソファーに腰を下ろしていた。恐怖で震えが止まらず、自室に引きこもっていたいというのが本音だった。しかし、不自然な行動は疑惑の原因となる。普段通りに振る舞うことが得策だと考えたからだった。また、何事もなくやり過ごせるかもしれないという淡い期待もあった。
「犯人は捕まったの」
「まだみたい。でも、手がかりを残して逃げたみたいだから、すぐに捕まるんじゃないかしら」
「だと、いいんだけど。怖くて買い物にも行けないわ」
「大丈夫だって、日本の警察は優秀だっていうから。すぐに捕まるわよ」
二人の会話は続いている。情報を入手したい一心で、全神経を集中させた。
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