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「二人とも、早く料理を運んでちょうだい」
痺れを切らしたのだろう、キッチンから母さんの催促する声が聞こえて来た。
それを聞いた姉ちゃんは、何も言わずニッコリ微笑むとキッチンへ踵を返した。
気のせいか、一瞬、姉ちゃんの表情が、口元が小刻みに震えたように見えた。
「あ、そうそう」
途中で一度足を止めた姉ちゃんは、独り言のようにこう言った。
「探しもの、見つかって良かったね。未来の作家大先生」
それだけ言うと足早にキッチンへと消えて行った。姉ちゃんの声と背中は波が打つように小刻みに震えてた。
『先程のニュースの続報です。犯人の身柄が拘束された模様。繰り返します、コンビニ強盗事件の犯人の身柄が確保されました。警察の取調べに対し、男は...』
おわり
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