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引っ張られるままに走る。
なぜか手を振り解こうとは思わなかった。
突然の出来事に頭が追いつかなかったのだ。
少し走って着いた先は保育園だった。
「すみません! 少しお待ちください! 」
走って中に入っていく女性。
なんとなくその様子を目で追っていると、玄関先に保育士に連れられた小さな男の子が出てきた。
保育士に頭を下げ、男の子と手を繋ぎこちらへ歩いてくる女性。
どうしたらいいのか分からず反対側を見て待つ。
「お待たせしました。うちへいらして下さい。すぐそこなので。」
笑顔でそう言うと、ついて来るのがあたり前かのように歩き始める。
……随分強引な人だな。
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