強引女

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「あの! すみません! なぜあなたの家に行かないとならないんですか? お詫びだと言うのならまずは相手の都合を聞くべきですよね? いきなり何も聞かず手を引っ張るなんて失礼ですよね? だいたいあなたは……」  僕の言葉に女性の笑顔が消えた。 「はぁ?! 確かに失礼なことだったかもしれないけどさぁ、こっちは保育園行かなきゃならないし。はいはい、すみませんでした! でも悪いと思って手料理ご馳走しようって言ってんじゃん!つべこべ言わずについて来いって言ってんだよ! 」  さっきまでの女性とは違い汚い言葉遣いに固まる。 「いいから早く行くよっ! 」  頭が真っ白になった僕はまた手を引っ張られるまま歩く。  なぜか反対側の手は小さな男の子に引っ張られている。
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