望まない転機

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望まない転機

「すまないね、朽木さん。急で本当に申し訳ないと思ってはいるんだよ。だけど君には今月いっぱいで辞めて貰おうと思うんだ。」 嵐は突然やってくる。 人生だってそんなものかもしれない。 「はい、、、?」 人事担当に呼び出されて何事かと思ってはいたけれど、まさかのクビ宣告って、、、。 「あの、、、私何かしましたか、、、?」 思いあたる節なんかない。 だけど、、、他に言葉が出てこなかった。 「いや、、、君が悪い訳ではないんだ。悪いのは世の中。」 はぁぁ?って言ってやりたい気持ちを抑えてやっとの思いで言葉を紡ぐ。 「私に否がないとしたらそれは不当解雇に当たりませんか?労働組合に話をしてもいいんですけど。」 よく言ったよ、私! 「、、、そうだね。でも今の世の中、これが通ってしまうんだよ」 そう言って私に1枚の紙切れを差し出してきた。
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