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どんな姿でも
「夜、何で朝日を連れてきたの?」
何気なく夜に聞いた。
「軍医としての腕は申し分ないからかな。どうしてもカバー出来ない部分を任せてるだけ。」
夜は当然だと言った。
「いや、朝日の書類をやってたら意味ないよ。」
静かに箸をおいて夜が笑った。
「月と太陽は共存出来ないでしょ?それと同じ。綺麗に言えば適材適所だったりするけど。
朝日は壊れてるけどさ。」
そういって箸を持って魚を食べ始めた夜が怖かった。
この言葉をこの物語の最後まで覚えておいて欲しい。
「夜!治った!」
「良かった。仕事してね?
あ、そうだ。今度大きな仕事が来るんだけど、一緒に行く?」
「行く、絶対に行くわ。」
「わかった。後処理は皆に頼んでおく。」
朝日は笑って帰ってきた。
夜ももとに戻って笑っていた。
大きな仕事はすぐに入ってきた。
「大丈夫?荷物はちゃんとまとめた?」
「あ、忘れ物!待ってて。」
朝日は走って部屋に戻っていく。
「戻ってこれるか賭けなんだけどさ、
どんな姿でも朝日だって信じてくれる?」
…どんな姿でも?
「それは夜のさじ加減。」
「了解でーす。」
夜はよく作り笑いをするけど、今回は違うんだな。
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