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太陽の方、影の方。
「それじゃあ…よろしくね、シャロ、シャム。」
そう言ってみことさん、夜様、夕様、エマさんが太陽の方へ歩いていった。
「気づいてるんかな。」
シャムは建物の壁に寄りかかって言った。
「さぁ。この世界は不思議なことばかりだからね。夜様が第二の人生を歩み始めたりしているわけだし。」
私は静かに息を吐いた。
「夜ってさ、みことの命との対価交換で生きてるって知ってるの?」
「知らないんじゃない?
蒼人様とシャムと私、みことさんしか知らない筈だけど。
でもさ、他人の命を奪ってまで生きようなんて思わないじゃん。
ましてはこれから起こる戦争がみことさんの死を分かりづらくするためだなんて。
…シャムだったら、知りたいの?」
私はシャムの影を見て言った。
「いいや、知りたくもないね。
でも、知ったら知ったで愛着は生まれるんじゃない?ほら、私はシャロを恨んでない。早く行こう!」
「そっか…そうだね。
はぁ、分かったから手を引っ張らないで。」
私はシャムに手を引っ張られて歩きだした。
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