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ウソ
私は無感情のまま灰色の空を見る。
誰もこんな風に力を使うなんて思わなかっただろう。
予想も出来るはずもない未来を予想する。
帰らない家に「すぐに戻る」と言ってみる。
「すぐに」なんて嘘をついて「ずっと」を唱える。
瓦礫の町に一つの旗が揺れていた。
「約束」は守らないと。
あの綺麗な王国の無駄な革命を起こした人たちについていたのだろうか。
情報が欲しかったわけではないし、
謝って欲しいわけでもない。
いや、きっと、あの時の感情を知って欲しいのだ。
仲間が突然、いなくなった辛さを。
未練とやらを叶えさせないと気がすまない。
これは優しさで手を伸ばしたのではなく、
これから感じる感情達に同情をしたかった。
…こんな奴らの感情とはかわいそうにってね。
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