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愛馬朝日という人間は元から存在していなかった。
…人間ではなく神様だった。
だからだろう、歳も取ることを知らなかった。
心臓を撃ち抜かれて死ぬことを知らなかった。
周りが慌ただしく動いていくなか椅子に座りながらいつか貰った本を読んだ。
読み更けた時、扉を叩く音に返事をすれば仲間が戦死したとか病気で亡くなったという報告がほとんどだった。
少し歩いた方が良いんじゃないかと思って部屋を出ると歳をとった仲間に話しかけられた。
そんな生活の中にはいつも宇灰安音と宇灰七瀬が隣で羽を広げて笑っていた。
安音は真っ黒な羽と金色の輪を浮かべ、
茶色の長い髪を揺らして、
七瀬は真っ白な羽と金色の輪を浮かべて
安音と同じく茶色の長い髪を揺らした。
…それをみて私は、軽い体を揺らした。
時々部屋に覗きに来る仲間達と笑った。
そんな日々でも楽しかった。
次に会うときはどんな人生かな。
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