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俺の親友は、この戦いで亡くなった。
訓練生時代から競い合い、
幾多の戦場を乗り越えてきたかけがえの無い戦友。
死は一瞬だった。
俺が敵の牽制をしている間に、
隣で倒れる音がした。
それが彼が最後に発した音だった。
俺が最も嫌いなことは、負けることだ。
戦争で大事なものを失い、むざむざと帰ることは耐えられない。
だから、俺はそれだけはしないことを固く心に決めていた。
この身が朽ちても、仲間が死んでも、
俺は前に進む。
左目の流血をごまかしながら、ここまで来た。
目の前に敵部隊の指揮官がいた。
俺の気配に気づいた指揮官が銃を向ける。
俺は避ける気力もなく、ずかずかと前に進む。
二発、発射された。左胸に二発着弾した。
痛みは感じるが、俺にはどうでも良かった。
指揮官の首を右腕で掴んだ。
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