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マンネリ
高林克哉と牧子は結婚して40年。
日経製作所の下請け会社を2年前定年退職した。最近は毎日のように顔を合わせ、そろそろうんざりしていた。
『亭主元気で留守がいい』ってよく言ったもんだと牧子は内心本気で思っていた。
息子たちはそこそこの大学を出て、そこそこの会社に勤め、そこそこ暮らしている。なんでもそこそこだ。
凡人という枠にはまった暮らしぶりと、なんの取り柄もない凡人以下の旦那に、飽き飽きしていた。結婚が、そのうち血痕に変わりそうだった。
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