気になるアイツ

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「なぁ、颯…頼むよ」 「イヤだ」 「主催の方から直々に頼まれたんだよ」 「知らねぇよ、そんなもん。なんで俺なんだよ」 「そりゃ…若き実業家 山野颯が参加するらしい…ってだけで参加者数が違うからだよ」 「客寄せパンダかよ」 「頼む!はやて〜」 「今回だけだからな!俺は今まだ、恋愛とか結婚とかいいんだよ」 「はいはい…わかってますよ。忘れられないんだもんな、みさきちゃ…」 「うるさい!」 俺は 中学からの腐れ縁、那賀川朔の頼みで 婚活パーティーに参加することになった はぁ…マジで参加するだけだからな 仕事も何かと忙しいし、結婚とか考えてないし、めんどくさいな。 婚活パーティー当日 「あの…お話…」 「私も…是非」 「こういうパーティーは初めてなもので、あまりよくわからなくて…」 「山野さん…えっと、はやてさんってお読みするんですか?」 「あ〜そうです。山野颯(やまのはやて)です。」 「私は…松浦梨沙です」 「橘友梨です」 「あ、私は…」 「ちょ…ちょっと、スミマセン。失礼…」 あまりのアプローチに その場を離れ、庭にいた朔を見つけ 「おい!ちょっと」 「なんだよ。」 「めっちゃグイグイこられてんだけど?どうすりゃいいわけ?」 「は?いいじゃん。気にいった子がいたら最後にカップルになって…」 「いやいや、俺は仕方なく参加しただけで恋人探しに来てねぇからさ。もぅ帰りたい…」 「まあまあ…そう言わずに話すくらいどうってことないだろ?うまくあしらえよ…」 「ん…」 「じゃぁな。俺は忙しいの!」 そう言って朔は庭へと戻っていった。 アイツ…騙したな… 何が参加するだけでいい!だよ 一人ブツブツ文句をいいながら さっきの場所には戻りたくなくて 飲み物を取りにカウンターへ 「おまたせいたしました」 「ありがとうございます」 振り返った先客にかすかに触れ グラスが揺れた 「スミマセン、大丈夫ですか?」 「大丈夫です、こちらこそ…あっ…」 振り返った彼女の顔を見て 固まった。 「美咲…」 「はや…ぁ、失礼します」 彼女は足早にカウンターから離れようとする 思わず俺は 「美咲。待って」 彼女の手を掴んだ。 「美咲?」 「離して…」 「あ、ごめん。」 彼女は… 間違いない『高橋美咲』だ。 「美咲…」 「私にはかかわらないで」 「な、なに…言って…」 「颯には関係ないことだから」 美咲はそう言って 離れていった どういうことだ? なんでここに美咲がいるんだ。
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