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FAKEからREALへ
美咲を見つめ
引き寄せ
抱きしめる
「やっと…」
「ん?」
上目遣いで俺を見上げる美咲は
あの頃のままだ
ゆっくりと
唇を重ねる
啄むようなキスから
絡みあう口吻に…
「はや…て…んん…ぁ…」
ぎこちなく、戸惑いもみせる美咲
「平気?」
「息…続か…ない…から…はぁ…」
「ぇ?」
もしかして…美咲…
「鼻で息して…フフフ…ゆっくりついておいで…」
「うん…」
見つめ合いながら…ゆっくりとまた
唇を重ねる
「んん…ぁ…」
「チュ…チュ…」
「や…ダメ…」
「美咲…いい匂い…」
「くすぐったい…」
首筋に唇を這わせると
ピクリと身体を震わせる
このまま…
「いいか?」
「…コクリ…ぅん…」
美咲を抱き上げ、寝室に運んだ
しがみつく美咲
「イヤなら無理強いはしないから」
「ううん…イヤじゃない…ただ…」
「ただ?」
「こわい…だけ…」
「なんで?」
「……えと…ん…あの…」
みるみる赤く染め上がる顔
「もしかして…美咲…初めて?」
「うん…」
「そか…チュ…優しくするから」
「うん…」
ゆっくりと美咲を組み敷き
大事に大事に…
「おはよう…」
「おはよ…ヤダ、起きてたの?」
「寝顔見てた」
「もう!」
軽く唇を重ねて
「平気?」
「…なんとか…」
ホントの夫婦になれた俺達
もう、絶対に離さない
その後
美咲は秘書課に異動になり
宇都宮由紀乃さんの下で働くことになった
あのレセプションパーティーの時の
宇都宮夫妻の話は、美咲の異動が決まっていたらしい
しばらく
秘書のノウハウを学んだ後
うちの会社で
俺の秘書になるために宇都宮物産は退職する予定だ
公私ともに
ホンモノのパートナーに
もう、ニセモノの夫婦ではない
ニセモノの恋でもいいと、美咲の為ならそれでいいと思って契約結婚をしたけれど
最初から俺達は
あの頃と…なにもかわってなかったと
知ったんだ
これからも
一緒に
ずっと
一緒に
〜Fin〜
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