10人が本棚に入れています
本棚に追加
背中を押されて
その夜。
実家に彼と共に泊まった。
彼は枕が変わってもゆっくりと寝れる様で、枕に頭をつけた途端、彼は深い眠りについた。。
ーーえ?もう??
私は久しぶりの実家に帰ってきているせいか、少し緊張しているのか?
なかなか寝付けずにいた。
しばらくして、階段をゆっくりと下りる。
なるべく足音を立てないように、そっと。。
やっとの想いで居間についた時、母は温かいお茶を飲んでいた。
「ーー彼、どーゆー人なの?」
無愛想な顔で母が言った。
「公務員として働いてるの。だから給料は安定してるーーただ......」
私は言葉を濁した。。
「少し変わった趣味があるようね??」
母が言った。
「ーーそこ以外は優しくてとてもステキな人なんだけど......」
私は答える。
母は黙ってそれを聞いていた。
「後はあなたがそれを認めるつもりなら、結婚したらいい。ーーあなたが選んだ人だもの。私は何も言わない」
母が言った。
母の真意はわからないが、少しだけ見放されているようで、寂しい気持ちになってしまう。
「ーーガンバレ」
父がようやく口を開いた。
昔から言葉が足りない父だけど、少しだけ背中を押された様な気がする。
「ーー私たちはあなたの味方よ。。何かあればまた家に帰ってきなさい!」
母がにこやかに笑った。
「うん!ありがとう」
最初のコメントを投稿しよう!