背中を押されて

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背中を押されて

その夜。 実家に彼と共に泊まった。 彼は枕が変わってもゆっくりと寝れる様で、枕に頭をつけた途端、彼は深い眠りについた。。 ーーえ?もう?? 私は久しぶりの実家に帰ってきているせいか、少し緊張しているのか? なかなか寝付けずにいた。 しばらくして、階段をゆっくりと下りる。 なるべく足音を立てないように、そっと。。 やっとの想いで居間についた時、母は温かいお茶を飲んでいた。 「ーー彼、どーゆー人なの?」 無愛想な顔で母が言った。 「公務員として働いてるの。だから給料は安定してるーーただ......」 私は言葉を濁した。。 「少し変わった趣味があるようね??」 母が言った。 「ーーそこ以外は優しくてとてもステキな人なんだけど......」 私は答える。 母は黙ってそれを聞いていた。 「後はあなたがそれを認めるつもりなら、結婚したらいい。ーーあなたが選んだ人だもの。私は何も言わない」 母が言った。 母の真意はわからないが、少しだけ見放されているようで、寂しい気持ちになってしまう。 「ーーガンバレ」 父がようやく口を開いた。 昔から言葉が足りない父だけど、少しだけ背中を押された様な気がする。 「ーー私たちはあなたの味方よ。。何かあればまた家に帰ってきなさい!」 母がにこやかに笑った。 「うん!ありがとう」
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