真実

22/23
前へ
/182ページ
次へ
さっきの話を聞いていて、美弥さんが思いを寄せてくれていたことは知ったけど、改めて言われると… 「恥ずかしい…」 きっと、顔は真っ赤だと思う。 それに、わたしの言葉を聞いた美弥さんは、はは、と笑った。 それがまた恥ずかしさを煽った。 「み、美弥さん…」 「ん?」 「わたしも、好きです」 クリスマスイブに言うはずだった言葉を伝えた。 でも、美弥さんは何も言わない。 それにまだ抱きしめられているため、顔も見えない。 「美弥さん…?」 「本当に、」 「え、?」 「本当に、弦も俺が好き?」 そう改めて言われると言いづらい。 だけど、大好きな人に思いを伝えられるんだ。 ちゃんと、伝えなきゃ。 「うん、本当に美弥さんのことが好きだよ」 そう言えば美弥さんは、わたしをさらに強く抱きしめた。 「ん、俺も好き」 そう言って─。 美弥さんがわたしを離し、お互いの顔を見る。 美弥さんは優しく笑っていた。 今まで見たどの美弥さんよりも、綺麗で、かっこよくて、眩しかった。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

165人が本棚に入れています
本棚に追加