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「本当に、そう思ってもらえるの…?」
確かめるように美弥さんはゆっくりそう言った。
「うん。今言った言葉に嘘はないよ。それと、ごめんね」
「ごめん…?」
「美弥さんのこと、信じられなくて…信じるよって言ったのに」
わたしは、信じるよって言ったのに、大好きな人を信じられなかった。
最低な行動をとった。
そのことは美弥さんに謝らなくてはいけない。
なのに美弥さんは首を横に振った。
「弦は信じてくれたよ」
「え⋯?」
「弦は信じてくれた…。だから今、ここに居てくれてる」
「美弥さん…」
やっぱり美弥さんは優しい。
「ありがとう、美弥さん」
笑ってそう言うと、
「……わ、…」
ふわっと、優しく抱き寄せられた。
「み、美弥さん…!?」
突然のことに、どうすればいいのか分からない。
どうすればいいの…!?
そう思ったとき美弥さんの声が耳元に響いた。
「弦、好きだ」
優しくて、力強くて、暖かさを含んだ、
大好きな声。
「え、…」
「ずっと好きだった」
美弥さんが、わたしを…?
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