現れる

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現れる

「はあー…」 一人秋の夜空をボケーっと見つめながら 公園でため息を吐く。 まだ秋になったばかりだが今日は寒い。 なぜこんなところにいるのか。 それは、彼氏の浮気。 浮気グセのある彼。 今日も浮気を目撃したのだ。 彼の家に行き、合鍵でドアを 開けると、 お取り込み中だったわけだ。 二人はわたしには気付いていなかった。 だから、そーっと帰ってきて、今に至る。 彼の浮気を目撃したのは一度や二度ではない。 目撃する度わたしはこの公園でしばらく一人でいるのだ。 浮気には慣れた、 いや、もしかしたらもう彼の事を好きではないのかもしれない。 彼もわたしをもう好きではないだろう。 別れないのはきっと、 なんだかんだ言って彼を嫌いにはなれないからだろうか。 ただ、好きではない。 もう彼の浮気に怒ることもしなければ 彼もわたしを束縛することもない。 会えば普通に恋人らしいこともする。 タイミングがないだけ。 タイミングなんて、と思うかもしれないが わたしたちはお互いいつ別れてもいいと思ってる。 でも会えば言うタイミングがないんだ。
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