165人が本棚に入れています
本棚に追加
現れる
「はあー…」
一人秋の夜空をボケーっと見つめながら
公園でため息を吐く。
まだ秋になったばかりだが今日は寒い。
なぜこんなところにいるのか。
それは、彼氏の浮気。
浮気グセのある彼。
今日も浮気を目撃したのだ。
彼の家に行き、合鍵でドアを
開けると、
お取り込み中だったわけだ。
二人はわたしには気付いていなかった。
だから、そーっと帰ってきて、今に至る。
彼の浮気を目撃したのは一度や二度ではない。
目撃する度わたしはこの公園でしばらく一人でいるのだ。
浮気には慣れた、
いや、もしかしたらもう彼の事を好きではないのかもしれない。
彼もわたしをもう好きではないだろう。
別れないのはきっと、
なんだかんだ言って彼を嫌いにはなれないからだろうか。
ただ、好きではない。
もう彼の浮気に怒ることもしなければ
彼もわたしを束縛することもない。
会えば普通に恋人らしいこともする。
タイミングがないだけ。
タイミングなんて、と思うかもしれないが
わたしたちはお互いいつ別れてもいいと思ってる。
でも会えば言うタイミングがないんだ。
最初のコメントを投稿しよう!