Xの異界散歩

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「はー、最近、体がすごいぼきぼき言うのよねー」 「あ、リーダーもですか。俺もですよ」 「やっぱりきちんと動かないとだめね、って何こっち見てるの、X」  発言を許可すると、Xは困ったような顔をしながらも、口を開く。 「いえ。皆さん、だいたい私より若いのになあって」 「やっぱり何も言わないで。悲しくなってくるから」  研究の日々というのは、かくも運動不足に陥るものである。というか長らく独房暮らしを続けているはずのXがなんでそんなに元気なのか聞きたい。多分日々の筋トレと返されそうな気がするが。  ともあれ、そんな無駄口を叩くのはここまで。 「では、今日の『潜航』を開始するわよ」
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