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「……なんでいつも俺だけっ。嫌だって言ってるのに」
先に一度追い上げられることは栄にとって屈辱であるらしい。いつもどおりの苦情が申し立てられれば、返事もまたいつものとおり。
「前にも言っただろ。こっちはおっさんなんだから回数より内容で勝負なんだ」
自虐混じりの言葉も嘘ではないが、羽多野としてはこれでもパートナーの体をいたわっているつもりなのだ。一度達して脱力してからの方が、受け入れるのが楽そうに見える。
下着をつけたままの絶頂を経て、ようやく羽多野が薄い布地から栄を解放してやると、どろりと白い液体が糸を引いた。
本番はこれからだとばかりに羽多野はようやく栄のぬるぬるした勃起に直接触れる。白濁にまみれたそれはまだ硬く、続きを楽しむには支障がなさそうだ。
「触るなって!」
「イったばかりだから? 大丈夫だって、すぐ回復するから」
調子の良い煽て文句を口にして、背中を撫でてあやしながら濡れた感触と音を楽しんでいると案の定、栄の性器は再び反り返る。
真上から見ると、先端の小さな穴が喘ぐように開閉し遂情の余韻をにじませるのが艶めかしい。人差し指と中指でそっと割れ目を押し開くと内側の赤い肉がのぞいた。
ふと、ベッドサイドに置いたままの、封を切ったチョコレート菓子が目に入る。戯れに一本手にとって敏感な先端をつついてみる。
「何……っ!?」
趣味の悪い悪戯に栄の腰が引けるところを、チョコレートで覆われた細い棒でさらにぐりぐりと小さな孔を抉る。
「入るかな」
「冗談じゃない! 無理に決まってるでしょう!」
「ふざけただけだって、マジギレするなよ」
いくら射精直後で開いているとはいえ、狭い尿道口に本気で突っ込もうとすればビスケットでできた軸など簡単に折れるに決まっている。
軽蔑もあらわに睨みつけてくる栄に悪かったよと呟いて、羽多野は白濁がトッピングされた菓子を口に運んだ。
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