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(そんなに相性、悪いのかな)
今まで相性占いとか気にしたことがなかった。占いなんて所詮統計学だ。当たるも八卦当たらぬも八卦というではないか。私にとって占いとはいいことだけを信じればいい程度にしか捉えて来なかった。そう思って来たからこそ獅子座O型の私は蠍座AB型の彼と付き合って来たのだ。
(そういえば付き合うかどうか迷っていた時、散々言われたわ)
大学在学中に知り合ったひとつ後輩の賀上朔太郎から告白された時私はそれをあっさりと断った。何故ならその時私には好きな人がいたから。同じサークルの先輩のことが好きでそれこそ先輩は私の運命の人だと思い込んでいた。
だって先輩とはいっぱい共通点があったのだ。同じ誕生日に同じ血液型。お互い父親の出身地が同じ。家族構成も同じ。そして極めつけが母親の名前が漢字こそ違えど同じ名前だったのだ。これはもう運命の人としか思えないほどの共通点の多さではないか!私はそう思ったのだ。
だけどそう思っていたのは私だけのようで先輩は私の知らないところでちゃっかり彼女を作っていた。私よりも背が低くて華奢な可愛らしい子だった。私とは正反対の彼女に到底太刀打ち出来ずに泣く泣く先輩を諦めた。
その時慰めてくれたのは告白して来た後輩の朔太郎だった。告白を受け入れなかった相手だというのに朔太郎はどこまでも私に優しかった。
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