推し

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推し

『俺は諦めない。絶対にこの五人でデビューして、ドームを埋められるくらいのアイドルになるんだ』  ――今まで黙っていたハルキが口を開いた。 『大丈夫、きっと叶えられる。だからみんな、そんな顔しないで。笑って』  ――満面の笑みを浮かべるハルキ。その笑顔を見て、ケイタたちはお互い頷きあった。 『そうだな、ここで諦めるなんてオレたちらしくないぜ』 『私たちシュペルブの実力を世間に知らしめなくてはいけませんからね』 『ハルっち、僕、どうかしてたよ』 『――すまなかった』 『みんな……』 『よーし、そうと決まれば、早速練習するぞ』 『ケイタは相変わらずですね』 『僕、サビ前のステップが上手くいかないんだよね』 『――ワンテンポ早く足を出せばいいと思う』 ――気持ちを切り替えて前に進もうとするメンバーを見て、ハルキは改めてこのグループで良かったと心から思った。
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