Y-4 花の日のドラマ

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『ただいま~』 『エミ!どこに行ってたの!?黙って行っちゃうんだから!心配したのよ!!』 『ごめん……ちょっとね』 顔をほころばせながら、靴を脱いでいるエミ 『……………?』 そんな娘の様子を見ると疑問符が頭の上に浮かぶ 『何かあったの?』 『――絶対内緒♪』 笑みを向けてから、家の奥に入っていく―― 『??』 〈パタパタパタパタ〉 階段を駆け上り 部屋に入る 〈バタン〉 『……………』 〈ドクドクドクドク〉 今さらながら早鐘を鳴らす心臓 『……………』 手を胸に押さえ当て 鳴り止むのを静かに待つのだが 〈ドクドクドクドク〉 さらにその鐘は強く激しく打ちつける “会ってきちゃった~♪” 〈ドクドクドクドク〉 “抱き締められちゃった~♪♪” 〈ドクドクドクドク〉 思い出すだけで顔が真っ赤になってくる 『どうしよ、どうしよ、どうしよ~~』 〈ドクドクドクドク〉 とりあえず気持ちを落ち着かせるために、ベッドに腰掛ける 『あぁ~~もう~』 〈ドサッ〉 ベッドに仰向けになる 『連絡先、聞いておけばよかった~~!』 “……………” 天井を見つめる 〈ドクドクドクドク〉 “また……どこかで会えますよね” 傍らのバッグから“花”を取り出す―― 『きっと――』 見つめる“花”の先に“夢”を見たような気がした “……きっとまた会える……” そして そっと瞳を閉じた 午後10時――― ダイニングルーム CDプレイヤーから流れる優しい伴奏がその空間を包み込んでいた 🎵結えない髪を濡らすは雨🎵 『あなたから電話くれるなんて珍しいじゃない』 🎵One Way Lover🎵 『1年振りね』 🎵夜明けはBlue…🎵 『結婚記念日だなんて、あなた、そんなにマメだったっけ』 🎵涙の理由を教えて何故?🎵 『でももうこれで10年目ね』 🎵Lonesome Flower🎵 『“花の日”も……』 🎵微笑みを咲かせて🎵 『あっ、私の娘がそう呼んでるんだよ』 🎵夜がこんなに🎵 『え、知ってる?――何で?』 🎵寂しいなんて🎵 『え、秘密って――なんか、今日はそんなのばっかり――』 🎵生きるのが辛くなる🎵 『あ、こっちのハナシ』 🎵そして いつか失くした🎵 『でも、これで最後だね』 🎵夢のかけらが🎵 『10年間の約束、守ってくれてありがとう』 🎵星空を駆けてゆく🎵 『娘は楽しみにしてたから……ちょっぴり残念だけどね』 🎵涙の天使が私に宿り🎵 『えっ……何?また来年もやるの?』 🎵見えない運命に翻弄ばれる🎵 『どうしたの急に?』 🎵いつの世も心にしみるは懐かしいメロディ🎵 『……新しい約束?』 🎵この街を流れる🎵 『え?……………エミと…………何で?……まさか………逢ったの?』 🎵結えない髪を濡らすは雨🎵 『…………………』 🎵One Way Lover🎵 『それでか……あの娘…』 🎵夜明けはBlue…🎵 『………とっても嬉しそうだった………』 🎵涙の理由を教えて何故?🎵 『理由を聞いても教えてくれなかったんだから~』 🎵Lonesome Flower🎵 『エミ………?もう寝てるよ』 🎵微笑みを咲かせて🎵 『……気になるの?』 🎵少女の頃の🎵 『……………!?』 🎵燃える夕日が🎵 『…………知ってたの??』 🎵黄昏に変わる時代だから🎵 『……名前かぁ……』 🎵母の背中で🎵 『気づいちゃったんだ……』 🎵見ていた夢を🎵 『………………』 🎵いつの日も忘れない🎵 『あなたの言うとおり――エミは“ミハル”だよ』 🎵愛する誰かとめぐり逢えたら🎵 『あなたと私の…たった一人の子供だよ……』 🎵大事ないのちが世に報われる🎵 『彼女の名前は――二人で決めた名前の“美映(ミハル)”から名付けたんだ……』 🎵泣きながらひとり歩いてた星屑砂漠🎵 『“映美(エミ)”って……』 🎵幸福を求めて🎵 『いつか……彼女にも……その事を伝える日が来ると思う……それは、彼女が夢を持って……大人の階段を登り始めた時かな……って勝手な考えだけどね』 🎵涙の天使が私に宿り🎵 『あなたが選んだ道もまた理解できる年頃がいいじゃない………』 🎵見えない運命に翻弄ばれる🎵 『案外、近い未来になるかもしれないよ……私はそう思ってるんだ……』 🎵秋の日に鳴らす口笛は面影ワルツ🎵 『女の子の成長をナメんじゃないよ……』 🎵この街は消えない🎵 『…………え?…………楽しみ?…………私もだよ…………じゃあ………おやすみ……』        花の日のドラマ         完
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