Y‐1 愛の日のドラマ

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“マズい!遅くなった!!” アパートへの帰り路をせわしなく小走りする 時刻はすでに8時を回っていた 【今日は早く帰ってきてね(^^)♡】 あのメール いつものように、たわいない用件だろうと思っていたが―― ひょっとしたら本当に今日は大切な日なのかもしれない 自分だけが気づいていないだけで…… “結婚記念日はもう過ぎたよな” 足のピッチをさらに早めながら考える “お互いの誕生日もまだ先だよな” ありとあらゆる【記念日】を頭の中に並べてみるが―― 該当がない “発想を変えてみよう” 改めて推理し直す “【記念日】じゃないとしたら……何か話があるのか……?” 可能性を導き出そうとすると “まさか………” 足を踏みしめる度に段々と言いしれぬ不安がよぎる “バレたか………” 足がとたんに重くなる 『……………』 そうこうしている間にアパートに着いてしまった “ここは……もう覚悟を決めるっきゃない” 自分に言い聞かせながらアパートに向かう
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