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四話 執事になることになりました
開いた扉には燕尾服を着こなした五十代くらいの人が立っていた。
「シエル、執事長のアンバーダムだ。シエルにはクライスの執事になってほしい。」
「執事ですか!?」
シエルはてっきり雑用をさせられると思っていたのだ。
「不満か?」
「いえ!物凄く嬉しいです!」
「うむ、そうか。アンバー、話を聞いて分かったな。シエルを鍛えてやってくれ。」
「お任せ下さい。」
「では、話は終わりだ。シエル頑張ってな。あ、シエル」
「何でしょうか?」
「クライスはな友達がいないんだ。クライスがここに来た時友達ができたって物凄く喜んでいたんだ。だからずっとクライスのもとにいて欲しい。」
「もちろんですよ!」
「ありがとう。ではまたな。」
「はい、何から何までありがとうございました。失礼しました。」
「失礼しました。」
アンバーダムさんと一緒に国王陛下の部屋を出た
「では、自己紹介をしましょう。先ほど紹介された通り執事長のアンバーダムと申します。」
「あ!僕はシエルって言います。アンバーダムさんよろしくお願いします。」
「よろしくお願いしますね、シエル。
では、明日からクライス様の執事に相応しくなれるようにビシバシと鍛えていくつもりですのでそのつもりで。」
「はい。よろしくお願いします。」
「クライス様が部屋を案内するようなのでクライス様の部屋に向かってください。
部屋は覚えていますか?」
「はい、大丈夫です。明日からよろしくお願いします。では、失礼します。」
ふぅ…まさかクライス様の執事になれるとは…クライス様に助けてもらったんだからクライス様に相応しい最高の執事になれるように頑張らないと!ん?前のほうが騒がしいな?
そこにはクライス様が誰かに詰め寄られて泣きそうになっていた。
「クライス様!!」
シエルはクライス様のもとに走って間に割り込んだ。
「クライス様大丈夫!?」
「大丈夫だよ、シエル。でもここにいると……」
「誰だ、失礼だぞ!」
クライス様に詰め寄っていた少年のせいで最後まで言葉が聞こえなかった。
「君こそ誰なの?クライス様が泣きそうじゃないか!!」
「君誰に物を言っているのかな?」
少年は怒りで顔が赤くなっていた。
「俺は第一王子のシリウスだぞ!」
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