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Eins:Zweitausend
【不審者?それとも──】
「──ってことがあったんだよねー」
アイリアは、いつものメンバー──エンゼル・トイフェルとニルヴ・シュテルノ──と夕食を食べながら、ルーシィとの出会いについて話していた。
「計画とか怪しすぎない? その人本当に大丈夫かしら? 大魔法使いって名乗りも怪しいし……計画の内容次第では信用してもいいけど、その辺りはどうなのよ?」
エンゼルはかなり懐疑的だ。当然だ、彼女の胡散臭さはアイリアすら感じていたものだ。エンゼルはその辺り、かなり敏感だ。
だが、ニルヴは対照的な態度を見せる。
「でも、だよ。アイリアが感じていた出会いの必然性というのは非常に興味深いポイントだ。根拠もそれなりにある。アイリアが『イーリアス』であることを知っているのは、おそらく校長先生とエリアスさん、そして僕達……といったところ。あとはエンゼルの家族や一部使用人も知ってるかな。口が緩そうな人には伝えてないだろ? 誰も知らない謎の少女が知ってるのは、なかなかに不自然だ」
「ルーシィって子、うちの人達の知り合いにいたりする可能性もあるんじゃない? 一応、外見的特徴は?」
エンゼルの鋭い質問を受け、アイリアが詳細なルーシィの容姿を伝えてみると、エンゼルはあることに気が付いた。
「その特徴……すごく、ベレスと似てる気がするわね。ただ、ベレスの娘さんというのはありえない。ベレス、独身だし……そうでなかったとしても、ベレスの赤い目は遺伝するものじゃないし」
トイフェル家の使用人、魔法での戦闘に長ける女性、ベレス。彼女の赤い目は、特殊な才能の目印であって、遺伝ではない。ルーシィも同じだろう。
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