Drei:von Fünf zu Sieben ohne Eins

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「ボクを心配するのか。キミが。なかなか面白い奴だね、気に入ったよ。君とは定期的に話をしたいなあ」  ニルヴにとって、これはあまりいいことではなかった。何しろ彼は既に、一定の頻度で強烈な者3人と会う日課の中におり、ルーシィで4人目なのだ。  普段から会っているアイリアは言わずもがな、断っても断ってもしつこく勧誘してくる校長、比較的良心的だが強さに対する欲が垣間見えるエリアス。  そこに、間違いなく今まで会った人物でも最強だが、あまりにもあっけない宿命の中にいるように見えるルーシィが加わる。  日常がどんどん、重いというか、濃厚というか、非日常的になっていく。 「では話したいことがあったら後々足していくという形にして、次を選びましょうか」 「そうだね。じゃあ今日泊まる場所も確保したいことだし、キミの家にお邪魔させてもらおうか。弟子も住まわせてるんだろ?」  校長とその師であるという少女は、楽しげに話しながら部屋を出ていった。きっと、歪な関係なりに、昔の話をするのだろう。  魔法が、文明を完全に支配していた時代。魔女マルギテスの時代が訪れるまで、文明は魔法で成り立っていた。科学が発展し、もはや生きる上では魔法は不要、強力な魔法は魔法使いとして教育を受けた者だけのモノ。しかしかつては違った。  そんな時代にニルヴは思いを馳せるはずもなく。  ただ自分の役割の面倒臭さを嘆くだけなのであった。 「全く、どいつもこいつもだな。嫌な奴との相手は必ず僕なんだ」
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