ゴミ屋敷のオッサン

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 今日は土曜日だ。俺は午後の三時になったのを確認して家を出た。休日は何時もこの時間に散歩している。午前中は勉強を頑張っているし、お昼を食べたらネットサーフィンをしている。午後の三時は暇になって、しかもさほど寒くないし丁度いい時間だ。足を速めて歩いていると、ゴミ屋敷のオッサンがコンビニから出て来た。まあ、汚いところに住んでるとはいえ人間なんだから物も食べるだろう。それにしてもゴミだらけの場所で食べるなんて少し可哀想だな。  俺はオッサンとすれ違って、顔をよく見てみる。思っていたより若い。四十代の半ばか後半くらいだろう。家にオッサン以外出入りしているのを見たことないが、二階建ての家に住んでいるってことは家族がいるのか。それともいたのか。大きい家だし、ゴミ屋敷状態のことを考えれば出ていかれてしまったという方が正しいだろう。  俺は歩きながらゴミを溜める人の気持ちを考えてみた。単に面倒くさいだけじゃなくて何か理由があってそうしている気がする。だって俺は綺麗好きなわけではないがきちんと掃除はするし散らかっていると気持ちが悪い。人間よっぽどの理由がないとゴミを溜めたりしないように思う。今度話し掛けてみようか。理由は何にしろ、近所の人によく思われてないんだし、もしかしたら困っているのかもしれない。俺に手伝えることがあったら何かしてあげたい。
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