ゴミ屋敷のオッサン

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 電気屋さんでLEDの電球を買う。ついでにパソコンを見た。学校の友達はパソコンを持っている子がいる。スマホがあるので必要ないとお母さんは言うがワードとエクセル、パワーポイントくらいは使えるようになったほうがいいだろう。それにブログも覚えたい。  店から出て買ったものを確認するために茶色い紙袋を開ける。ついでに俺の部屋にある電球の替えの分も買った。一階は暗くても構わないが、俺は真っ暗だと眠れない。夜中に起きたとき真っ暗だと凄い不安に襲われる。男のくせに小さい心臓の持ち主だが、真っ暗な中で眠れる人のほうが不思議だ。病院に入院でもしたらどうなるんだろう。病院は真っ暗なのだろうか。今まで大きな病気に罹らなくてよかったと思う。お母さんがきちんと料理をして健康管理してくれてるおかげだ。家族は大事だ。  家に帰ってリビングに行くと脚立を出して電球を取り換える。 「有難う、来夢、幾らだった?」 「案外安かったよ。俺の部屋の分も買った」 「お小遣いは千円でいい?」 「ああ、そんなに貰えるなら毎日だって電球を買いに行くよ。バイト先のファミレス、人員削減していてバイト代が少ないんだ」  俺は日曜日の昼間だけ働いていたのだが、ここのところ五時間くらいしか働けない。近くに新しい和食屋が出来て、お客さんが減っているから仕方ないと思うが、お小遣いが無いとお菓子代や本を買うお金に困る。
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