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「……で?どうする。俺に何か出来るのか?」
「来夢の大学に行く為のお金だったの。肉じゃがを作りながら考えたんだけど、大学、奨学金で行ってくれない?」
なんだよ、それ。料理をする短時間でそこまで考えられるか?
「泥棒の可能性もあるから警察に行ったほうがよくない?」
「それもそうね。今日はもう遅いから明日行きましょう。お父さんはゴルフだけどバレないようにお願いね。早く探しださなくちゃ」
翌日、俺とお母さんは警察に行った。警察は日曜日なのでしんとしていた。俺はバイトを休ませてもらっていた。警察は話を聞くと、パトカーで家に行くと言った。
「どの部屋に現金を置いていたんですか?」
「2階の寝室です」
「金庫か何かに入れておいたんですか?」
「いいえ。段ボールの中です。一千万円ほど、あの、探してください」
「探そうにもね。お宅は段ボールに現金を入れるんですか?」
「……」
「他には現金は無かったんですか?」
お母さんが肩を落として言う。
「一階の和室にある仏壇の引き出しにも入れてます。数万円ですが」
「それに手を付けてないっておかしいですね。普通の空き巣だったら一番にそれを取りますよ」
「……」
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