ゴミ屋敷のオッサン

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 家の中は警察が入って色々な場所の指紋を採取した。 「荒らされた形跡もないし、家族の方の仕業なんじゃないですか?」 「はあ、でも家にはお金を取るような人間はいません」  家族の指紋も採取しなければいけないということになって、お母さんは眉間に皺を寄せた。 「お父さんには内緒にしているんです」 「それじゃあ、困るな、被害届だって出したいでしょ?」  まあ、お母さんの気持ちも分かる。お父さんが自分で捨ててしまったことが分かると喧嘩になるのは間違いない。 「じゃあ、明日あらためて主人を警察に行かせます」  俺たちは警察を送り出して溜め息をついた。 「お母さん、俺、大学に行くの諦めてもいいよ。」 「そう?二年くらい浪人してくれればいいの。その間にお母さんが働いてお金を貯めるから」 「いいよ、二年もあるならもっと上の大学が目指せる。でもお金は探し出したいな」
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