一線

だるま

「やっちゃんが今回企画したんだろ？この同窓会。」
「ああ、まあ、企画だけな！」
「中学校のアルバム見て住所調べて葉書出したの？」
「いやいや、だから俺は企画だけ、やろーぜみたいな。だけ！」
「じゃあ、連絡したのは誰なん？」
「ああ、葉書とか、電話したのは全部光輝かな。」
後藤光輝……あいつが全部段取りしたのか……
「おい！光輝！こうちゃん呼んでるぜ！」
光輝は、女の子に囲まれて楽しく飲んでいた。
「お〜こうちゃん！久しぶり〜！何年ぶりかな〜！25年ぶりか？」
光輝は相変わらず調子いい。
「本当久しぶりだな！光輝！ところで、光輝がみんなに連絡とったんか？」
「ああ、そうだよ。アルバムの最後に住所と電話番号書いてあったから。」
この当時は、個人情報などなく。全ての生徒の電話番号と住所が最後のページに記載されていた。
「全員に連絡した？」
「ああ、一応全員にしたけど……なんで？」
俺はこそっと、光輝に耳打ちした。
「あのさ……だるま……って、きてるのか？本名なんだっけ？」